2016年発売以降爆発的な人気を誇る保険が明治安田生命の「じぶんの積立」です。
積立NISAやiDeCo、以前に紹介したJA共済の個人年金保険ライフロード等は長期運用としてどれも一級品ですが、最低限のリスクはあります。
主なリスクの一例
・積立NISA ⇨ 価格変動リスク
・iDeCo ⇨ 流動性リスク、価格変動リスク
・個人年金保険・ライフロード ⇨ 流動性リスク
※流動性リスク:満期まで換金できないor換金すると損してしまうリスク
超節税型個人年金保険「ライフロード」についてはこちらから
明治安田生命の「じぶんの積立」はこのようなリスクすら取ることなく生命保険料控除枠を活用した節税を可能にするほぼノーリスクとも言える保険です。
節税とは、逆説的に「確実に相対的な運用利回りをあげることのできる唯一の手段」でもあります。
特にサラリーマンは節税方法が限られてしまう中、今銀行にある預金を毎年6万円づつ預け替えをするだけで約1万円前後(所得による)がプレゼントされるようなものなので、大いに検討に値します。
じぶんの積立の最大のメリットは「生命保険料控除」の活用ですが、具体的に僕マッケイがどのように活用しているのかをお伝えしながら、メリットをまとめてみます。
目次
いつでも解約可能で、解約時元本100%保証
通常、保険は満期まで保有しなければ元本が大幅に毀損してしまうものが一般的です。しかし、じぶんの積立はいつでも解約が可能である上に解約時の元本が保証されているため「いつでも止めれる」保険です。(実際には、加入者は皆生命保険料控除狙いなので、解約する人などほぼいないと推測しますが。)
したがって、加入ハードルが著しく低いのが特徴です。
満期保険受け取り率103%
あくまでも貯蓄性の保険であるため、10年間預けた場合には103%で戻ってきます。毎月5,000円掛けた場合は、5年間の合計掛け金30万円に対して9000円の利息がついて満期を迎えることになります。
(参考)あおぞら銀行BANK支店の円定期預金金利

【出所】あおぞら銀行BANK支店HP(2020/5現在)
ネット銀行最強とも言えるあおぞら銀行BANK支店で上記のような金利なので、円定期と同レベルの商品性であると考えるとこの運用利回りは決して悪くありません。
10年で3%は運用効率が悪いという意見もありますが、そもそも取っているリスクが違うので、円定期預金以外の金融商品と運用効率を比較するのはナンセンスです。ほぼノーリスク状態でこの金利は魅力的です。
生命保険料控除対象かつ運用利回りも悪くないから加入するメリットは大きいよね。

マッケイ
健康状態を問わない
じぶんの積立は建前上「保険」と言う扱いになりますが、実質的な保険としての機能(死亡保障等)は無いので健康状態も問いません。なので、過去に病歴があり保険に加入できない方でも安心して加入できます。
月5000円(1口)から申し込み可能
じぶんの積立は、月5000円を1口として最大20,000円(4口)まで加入することができます。
最大のメリットは生命保険料控除であり、生命保険料控除額の最大額は年間保険料80,000円超に対して控除額40,000円なので、2口以上の積立だと最大控除額をオーバーしてしまいます。
生命保険料控除枠を最も効率よく利用するには「1口 」での加入がオススメです。
(参考)新・生命保険料控除額

【出所】国税庁HP

ミク
これくらいの資金からなら、私でも入れそうだわ。
生命保険料控除対象内の金額で入れるのはかなり魅力的だよ。

マッケイ
払込期間5年、保険期間10年
今までの貯蓄性の保険は最低でも10年以上の保険料積立期間があるものが一般的でした。
一方、じぶんの積立は払込期間5年、満期までが10年と比較的短い設定になっており、中途解約でも元本が保証されているため、払込期間終了後解約するという短期的な選択も可能になります。
生命保険料控除利用可能
じぶんの積立最大のメリットです。
今までの生命保険料控除狙いの保険加入のデメリットは「流動性が極めて悪い」という点でした。
資金効率を求める方にとって、年間1万円前後の節税のために、10年以上解約できない保険に数十万や数百万の資金を預けるのはあまりにも効率が悪かったため躊躇される方も多かったのですが、そのデメリットをじぶんの積立が解消することで爆発的に人気が出ました。
なんといっても、最大のメリットは生命保険料控除!実際にどれくらいメリットがあるか計算してみよう。

マッケイ
実際の利回りを計算してみる
(パターンA)
課税所得:400万円
加入口数:1口(保険料:6万円/年)
払込期間:5年
運用期間:10年
保険料控除:9,400円
年数 | 年間保険料 | 節税額 | 実質保険料 |
1年目 | -60,000 | 9,400 | -50,600 |
2年目 | -60,000 | 9,400 | -50,600 |
3年目 | -60,000 | 9,400 | -50,600 |
4年目 | -60,000 | 9,400 | -50,600 |
5年目 | -60,000 | 9,400 | -50,600 |
6年目 | 0 | 0 | 0 |
7年目 | 0 | 0 | 0 |
8年目 | 0 | 0 | 0 |
9年目 | 0 | 0 | 0 |
10年目 | 0 | 0 | 309,000 |
IRR | 2.886% |
(パターンB)
課税所得:400万円
加入口数:1口(保険料:6万円/年)
払込期間:5年
運用期間:6年(中途解約)
保険料控除:9,400円
年数 | 年間保険料 | 節税額 | 実質保険料 |
1年目 | -60,000 | 9,400 | -50,600 |
2年目 | -60,000 | 9,400 | -50,600 |
3年目 | -60,000 | 9,400 | -50,600 |
4年目 | -60,000 | 9,400 | -50,600 |
5年目 | -60,000 | 9,400 | -50,600 |
6年目 | 0 | 0 | 302,540 |
IRR | 6.021% |
パターンBの方が利回りがかなり良いことがわかります。
パターンBは6年目で中途解約をしている分運用期間が短くなっており、運用効率の悪い6~10年目を飛ばしているのでより高い利回りを実現できているのです。
したがって、払込期間が終わったら解約して違う投資に向けた方が良さそうですね。
1口だと控除枠を使い切ることができないので、控除枠を最大限利用したいのであれば2口をオススメします。ただ、2口だと年間4万円分控除しきれない保険料が生まれますので運用効率としては下がります。

ミク
こんなに利回り(IRR)がいいとは思いませんでした!
期間が短いのと、実際の節税額をリターンとして見ているから利回りが高くなるんだよ。その上流動性も比較的高いから運用商品としてはとてもオススメ!

マッケイ
続いて加入におけるデメリットを見てみましょう。
対面での申し込みのみ
じぶん積立の商品的立ち位置としては「ドアノック商品(この商品をきっかけに他の商品に入ってもらえるきっかけにする導入商品)」のため、ネット販売をしておらず予約を取って対面で申し込まなければいけません。
ただ、申し込み時にあれやこれやと他の商品を勧められることは無さそうなので安心です。
クレジット払いにできない
クレジットカード払いにはできないので、保険料でクレカポイントを貯めることができません。
最初の頃はたまに電話がかかってくる
実際にありましたが、最初の頃は担当(?)と言う方からいろんな理由をつけて電話がかかってきます。
(例)「最近いかがですか?」「新しい保険出ました。」等
特に、住所変更や名義変更をした場合には、そこにライフスタイルの変化が生まれますので営業員も積極的にコンタクトを取ってきます。
ただ、しばらくアクションしなければ相手にされなくなり、電話もかかってこなくなります。
保険機能はほぼない
じぶん積立は「保険」という位置づけではありますが保険機能はほぼなく、どちらかと言うと定期預金の延長のようなものです。
本来の保険としての保障をつけたいのであれば、それは別枠で検討しなければいけません。
将来的な販売中止の可能性(個人的見解)
今のところは全く問題ありませんが、あくまでもドアノック商品ということで再販率(じぶんの積立に加入した人が他の保険にも追加で加入する確率)が悪ければ、明治安田生命は全く儲かりません。そのような状況が続けば、今後販売打ち止めになる可能性も出てくるかもしれません。
ただ、数百万人の顧客情報を取得できたり、一種の認知促進ツールと考えれば再販率が悪くても良いのかもしれませんね。
(補足1)入る意味のない人は?
生命保険料控除枠をほとんど利用してしまっている人(少なくとも6万円分)は、それ以上控除できないので加入するメリットがあまりありません。
(補足2)1口か2口どちらがいい?
それぞれですが、マッケイは「1口」をオススメします。
1口の場合残り2万円の控除枠が残りますが、おそらくじぶんの積立に加入しようとしている方は他の保障性の生命保険に加入していない場合が多いので、残りの部分で保障性の定期保険にでも入っても良いかと思います。
死亡保障をどれくらい持つかの議論が多いですが、基本これくらいは最低限持ちながら、その他は運用に回すスタイルが一番運用効率としては高いかと個人的には思います。