金融立国でありがなら、個人の金融リテラシーが非常に低いと言われている日本人。
お金について語ることやお金でお金を稼ぐことは悪だとされる風潮で育ち、そしてお金について学ぶことを教えられなかった我々は、大人になってやっとお金でお金を稼ぐ大切さに気付いた方も多いのではないしょうか。
海外には数多くの「金融リテラシー系映画」があり、そのほとんどは資本主義社会を非常にリアルに描かれているため、多忙なビジネスマンはもちろん、これから金融リテラシーを身につけたい方に向けて「とりあえずこれを観ておけば間違いない。」という映画を選出しました。
お金でお金を稼ぐことは胡散臭いものではなく、「クールだ!」と少しでも思ってもらえたら嬉しいです。
それではいきましょう!
目次
これ無しでは資本主義を語れない、「ウォール街(1987年)」

世代を超えて語り継がれる伝説の金融系映画です。おそらく、これを超える名作は未だ出てきておらず、外資系金融マンであればもはや教科書レベル、フロント系の方で観たことがいない人はまずいないレベルの作品です。
ストーリー
主人公で投資家のゴードン・ゲッコーと証券会社の営業マンであるバド・フォックスが繰り広げる「大規模インサイダー取引」がメインストーリーです。
うだつの上がらない若手証券マンであるバドは、ゴードン・ゲッコー率いる「ゲッコー・アンド・カンパニー」に父務める会社「ブルースターエアライン」の株の営業をします。
そこで何とか注文を獲得したバドですが、今度はゲッコーに漬け込まれインサイダー情報を持ってくるよう指示されます。憧れの投資家ゲッコーと親密になれ、一旗あげれるチャンスと思ったバドは違法であるインサイダー取引の世界にどんどん入り込んでいき…。
この映画ではゴードンから多くの名言も生まれており、「Greed is good.(強欲は善だ。)」「Money never sleeps.(金は眠らない。)」は、この時代から日本人の金融リテラシーに対して警告しているような錯覚を思えてしまいます。
「インサイダー取引」について学ぶことができ、資本主義社会の中心であるウォール街のクールでスタイリッシュな雰囲気を存分に楽しめる作品なので、入門編として必ず観ておきましょう。
至極の金融エンターテイメント、「ウルフオブウォールストリート(2013年)」

こちらは比較的新しい映画で、主演がレオナルドディカプリオということもあって非常に話題となった作品です。
「ウォール街」に引き続いて、外資系金融マンのニュースタンダードになっている金融ビジネス映画の決定版です。
ストーリー
レオナルドディカプリオ演じるジョーダンベルフォートは、新卒で大手証券会社LFロスチャイルドに入社するものの入社直後の「ブラックマンデー」(1987年に起こった世界的株価大暴落)によって会社が倒産してしまいます。
再就職先は、小さな街の弱小証券会社でした。
しかしその証券会社は、通称ボロ株(上場しておらず値段がほとんどつかないような極端に流動性の低い株)を手数料50%の暴利で売買する特異な証券会社だったのです。
ジョーダンは巧みな話術でどんどん注文を獲得し、ビジネスに味をしめ26歳で証券会社を設立します。ヤクと女にまみれながらジョーダンの会社はどんどん成長し、ビリオネアになるものの…。
資本主義社会の当時の成功者の派手は生活を脚色しながらもリアルに描いており、「金融」と「ビジネス」の両方を学べる本作品ですが、単純にエンターテイメントとしても楽しめます。
企業買収映画の決定版、「ハゲタカ(2009年)」

2007年から公開されたNHKドラマ「ハゲタカ」を映画化した作品です。
金融系映画は海外物が多い中、本作品は国内を代表する金融映画とも言えます。
「企業買収(M&A)」をテーマに取り扱っておりどちらかというと当時の村上ファンドに代表されるアクティビスト(物いう株主)が善なのか悪なのか、という社会的メッセージを織り込んだ作品になっています。
ストーリー
「腐った日本を買い叩く。」で一世を風靡した天才ファンドマネージャー鷲津政彦(大森南朋)は、元銀行員で現アカマ自動車の役員である芝野健夫(柴田恭兵)から、中国ファンドによるアカマ自動車買収の阻止を依頼されます。
当初、中華系ファンド・ウォールパートナーズの資本力に成す術のなかった鷲津でしたが、世界の投資家を巻き込んで大きな作戦に打って出る…。異才鷲津の考えた作戦とは?
企業買収がメインストーリーのため少し金融的な側面も強くストーリー難易度は中ですが、小さなファンドが大資本ファンドに勝ちにいく姿は、金融業界の弱肉強食を見事に映写しており、大規模企業買収の裏側を圧巻のスピードで楽しめます。
そして、玉山鉄二演じる劉一華(リュウ・イーファ)がかっこよすぎます。
映画版は、ドラマを若引きずっていることもあり、ドラマから見ることをオススメします。
リーマンショックの逆転成功物語、「マネーショート〜華麗なる大逆転〜(2015年)」

本作品はブラッドピットが主演する金融トレーダーが、リーマンショックを予想し株価の大暴落で大儲けするまでを描く痛快金融トレーダー物語です。
舞台がリーマンショックということで記憶に新しく、また株の「ショートポジション(空売り)やCDS」という手法で市場の暴落で彼がいかに儲けたかをリアルに描いています。
ストーリー
2000年半ば、アメリカの金融市場は高利回り金融商品として住宅ローン債券が脚光を浴びていました。多くの投資銀行はここぞとばかりに住宅ローン債券を組成し投資家へ販売します。
しかし、不動産抵当証券を調査していたマイケルバリーは住宅ローン債券市場は数年後に債務不履行になるであろうことを知ります。
そこで、住宅ローン債券の暴落に賭けCDS(クレジットデフォルトスワップ)をどんどん購入していくのですが…。
リーマンショックでは多くの市場参加者が暴落の憂き目にあう反面、CDSやショートポジションにより多額の資産を気付いた市場関係者も実は多いのです。リーマンショックを悲観的なテーマとする映画は多くありますが、その中でも一部の成功者がどのように利益をあげたのかがとてもリアルに描かれています。
コメディー要素も多いですが、金融専門用語も出てくるため難易度は少し高めです。
金融なのにハートフル、「幸せのちから(2006年)」

最後は金融というよりは、ホームレスから金融業界で億万長者までにのし上がった主人公のノンフィクションハートフルコメディです。
金融について学ぶというよりかは父親と子供の絆を描く感動必死の物語です。主演がウィルスミスで子役がウィルスミスの実子であるジェイデンスミスという親子共演も見所です。
ストーリー
妻と子と3人でクラス主人公・クリスガードナーは新型医療機器のセールスマンとして独立するも、読みが外れ大量の在庫を抱えたまま倒産してしまいます。
クリスガードナーはホームレスとなり路頭に迷っていたところ、真っ赤なフェラーリーを見て、その所有者は証券会社の人間のものであることを知ります。
株に興味を持ったクリスガードナーは証券会社の試験を受け、その優しさ溢れる人間味を生かし株式のセールスマンとしてその能力を徐々に発揮していきますがプライベートは…。
金融系サクセスストーリーではありながら、クリスガードナーを突き動かす最大の要因は「幸せになりたい。」という熱意と、息子への愛情という、今までの金融にはなかったとてもハートフルなテーマになっています。
「強欲が財を成す。」という風潮から、貧困や愛情を切り口としたお金との向き合い方を考えさせられる映画です。
「資産運用に興味あるけど、面白い映画ないかな。」と追っているハイパフォ投資家の皆さん、まずはこの5作を読んで共に資本主義社会を楽しみましょう!