こんにちは!外資系バンカーのマッケイです。
今回は日本人が大好きな「ドルコスト平均法」、改め定額積立投資については解説します。

ミク
ドルコスト平均法ってよく聞くわ。下がっても上がっても定期的に買うから気持ち的に安心よね。
そうだね。投資初心者中心にドルコスト平均法を勧める金融機関も多く、つみたてNISAもドルコスト平均法の一つだよね。

マッケイ

ミク
いきなりまとまったお金を投資するのは怖いけど、ドルコスト平均法なら投資を続けられそうだわ。
確かに初期投資が少なくて済むのはいい点だけど、実はデメリットも多いのがドルコスト平均法なんだ。

マッケイ

ミク
デメリットがあるの!?
それでは早速説明しよう!

マッケイ
目次
ドルコスト平均法とは

ドルコスト平均法というと難しい投資手法のように見えるけれど簡単に言うと、
定額自動積立
です。
最初に一括して投資した後下落してしまった場合にはいきなりテンション下がるけど、ドルコスト平均法なら最初の投資金額が少ない分、下落相場でもあまり痛手を追わず投資できるというメリットがあります。
ドルコスト平均法のメリットおさらい
ドルコスト平均法のメリットは理解できてる?

マッケイ

ミク
う〜ん、説明しろと言われるの難しいわ。え〜っと、分散しながら、、、
OK!今回はドルコスト平均法のデメリットを重点的に話したいからメリットはサクッと説明するね。

マッケイ
相場上昇時でも下落時にでも始められる
投資を始めようと思うとまず気にしてしまうのがその時の相場ですよね。
下落していれば「もっと下落するから待とう。」と言っている間に上昇してしまい、上昇している時は「下がるまで待とう。」と思ってさらに上昇してしまい、結局高いところで買ってしまう。
THEシロウト投資家あるあるですね。
現在の投資環境に確固たる自身の持てないシロウト投資家にとって、ドルコスト平均法は引き続き投資をしていく手法なので相場の動きに関わらずスタートすることができます。
初期投資額が少なくて済む
言わずもがなですが、ドルコスト平均法は段階的且つ定期的に買って行く為、初期段階での投資資金は少額になるケースが多いです。
現在投資資金を確保できない方でもお小遣い程度から始めることができます。
積立投資なので高値掴みを回避できる
「今が高いのか安いのかも分からない。。」というのもシロウト投資家あるあるです。
そして、「思い切って投資を始めた瞬間に下落した。。」これもまたTHEシロウト投資家あるあるです。
ドルコスト平均法は下落局面でも自動的に購入して行く為、このようなあるあるを回避してくれるます。
投資における心理的不安を回避でき、一喜一憂しにくい
一括投資をするとその後どうしても気になるのが「値動き」ですね。
少し上がれば嬉しくなり、翌日下がるとテンションがMAXに下落する、これを毎日繰り返すのもシロウト投資家あるあるです。
ドルコスト平均であれば、上昇した際には純粋に嬉しく、下落した場合は下落した金額でより多くの口数(株数)を購入できるので納得感が得られやすいんですね。
必ず覚えておきたい、ドルコスト平均法のデメリット
ところで、ドルコスト平均法のデメリットってなんだと思う?

マッケイ

ミク
さっきまでの話聞いてたら時間を分散した投資にもなるし、下がったところで買えたら嬉しいし、リスクも低いから無さそう気がするんだけど。。
実はね、ドルコスト平均法はある意味リスクの高い運用でもあるんだ。

マッケイ

ミク
そうなの!?
ドルコスト平均法は「積立期間中」に下落することを願う投資法

【図1】
これはドルコスト平均法によってうまく投資ができた例です。
投資期間中にはどんどん株価が下落して、その分安く株式を購入できることで平均購入単価が下がります。
その後、積立期間が終わったら株価が上がり投資金額が一気に上昇に転じるケースですね。
上の図は長期投資をする上でみんなが想定している値動きだろうか。
実際に、長期投資において期待するチャートはこうじゃないかな?

マッケイ

【図2】
長期投資では上昇下落を繰り返しながら、長期的には右肩上がりなチャートを期待してするのが一般的です。

【図3】
積立期間中に価格が上昇することで平均購入単価が上がってしまい、投資しきった後で下落相場に入った場合にはドルコスト平均法がむしろ失敗に終わるわけです。

ミク
結局積立期間中は下落を願う投資法ってことなんだ。確かに私も長期的な右肩上がりを期待しているわ。
問題なのは、将来的に各々の図のどの動きになるかは誰にも分からないということなんだ。

マッケイ
ただ、
図1のケース ⇨ ドルコスト平均法の勝ち
図2のケース ⇨ 一括投資の勝ち
図3のケース ⇨ 一括投資の勝ち(購入単価が一括投資の方が低い為)
ドルコスト平均法が有利になる場合は図1のケースのみに限られ、長期投資では基本的に一括投資の方が期待リターンに対する運用効率は良いとえます。
ドルコスト平均法はリスクを抑えられるはウソ!

ドルコスト平均法はリスクを抑えられるというのはウソです。
最終的なリスクは一括投資と同等になります。
ドルコスト平均法がリスクが低そうに思えるのは、「積立をしている期間中だけ投資金額が一括投資と比べて少ないから。」です。
ただ、これはリスクとは関係がありません。
リスクとは単純に価格変動の差のこと指します。
金額の大小に関わらず投資対象の値動きは当然一緒なはず。
ドルコスト平均法のリスクが抑えられていると錯覚するのは、投資初期段階の金額が一括投資と比べて小さいだけの話で、その裏では上昇による機会損失リスクも負っているわけなので積立完了時点までの平均リスクは全く一緒になります。
価格分散はできるが時間分散はできない

上の図のように、ドルコスト平均法は時間分散をしていることにはなりません。
なぜなら積立金額が大きくなればなるほど(時間が経てば経つほど)投資対象の価格変動に対する元本の損益額(率ではありません。)は大きくなり、そのウェイトは期間が経てば経つほど大きくなります。
累積投資金額が増えるので当たり前ですね。
「卵を一つのカゴに盛るな。」=「同じ大きさの卵を異なるカゴに一つずつ入れる」こと。

ドルコスト平均法では

これでは分散になっていないことがわかりますね。年数が経つごとに累積投資額が増えるのでリスクの重みが増していきます。
購入単価の平均化はできますが、時間分散という観点では一括投資に分があることを抑えておきましょう。
(結論)心理的負担を減らす投資手法でありリスク低減にはならない
長期投資とは、長期的な右肩上がりを期待することを前提にした投資手法であり、積立期間中は下落し、積立完了後上昇することを期待する投資手法ではありません。
ドルコスト平均法は投資期間中の下落に対する心理的なハードルを下げるためのものにすぎず、投資パフォーマンスやリスクの低減とは全く関係がない手法ということを理解しておきましょう。