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テラドック(TDOC)のビジネスモデルと株価の将来性を分かりやすく解説【2021最新版】

2021 5/04
テラドック(TDOC)のビジネスモデルと株価の将来性を分かりやすく解説【2021最新版】

みなさんお久しぶりです、外資系バンカーのマッケイです。

前回4月4日に更新して以降、期初ということもありマッケイはかなり多忙を極め全く更新できておらずすみません。。。

しかし!

5月に入り落ち着きを取り戻しつつあり、やっとブログも今まで通り執筆できる体制が整ったので引き続きマネー版をよろしくお願いします!(定期的にしっかり執筆していきますね。)

前置きが長くなりましたが、今回は昨年の今頃めちゃめちゃ流行った銘柄「テラドック(TDOC)」について再度考察してみます。

まずは概要から、

・オンライン診療でサブスクリプションモデルを実現するヘルステック銘柄
・オンライン診療最大手であるものの競合が多くレッドオーシャン
・THEコロナ銘柄で昨年暴騰したものの、株価見直しによりPSR14倍とグロース銘柄の中では割安銘柄
・2021/1Q決算は売上高151%の高成長率だが、株価は年初来安値を更新中
・粗利率60%台でサブスクモデルとしては高くはなく、R&Dが低め

目次

テラドックのビジネスモデルが成長する背景

テラドックのビジネスモデルはオンライン診療です。

オンライン診療とはオンラインで医者と患者を繋いで診療するスタイルで言わずと知れたTHEコロナ銘柄ですね。

テラドックのビジネスモデルを知る前に日本と米国では大きく診療制度に違いがあることを知らなければいけません。

日本は国民皆保険という世界最高峰の保険システムによって少しでも体調が悪い場合は町の診療所で見てもらうという習慣があります。(これが社会保険費用圧迫の一つの原因ですが)

しかし、米国を含む他諸国ではこのような皆保険制度は存在しないので、基本的には所属する会社経由で民間の保険会社に加入します。

そのため日本でも今政府が体制を整えているセルフメディケーションが以前より浸透しており、少し体調が悪くなったからといって簡単には病院に行かないという特徴があります。

つまり、体調が悪くなればすぐに病院に行く日本人とは異なり、まずは自宅で手軽に診療を受けるというスタイルが浸透しやすく、国土も大きいため簡単に病院へ行けない人たちも数多く存在します。

テラドックによって患者にとっては手軽にオンライン診療を受けられるというメリットがありますが、保険会社にとってもメリットがあります。

民間の保険会社は営利ですから、病院に行かずに病気を我慢して重症化する患者が増えると保険金が増大し将来的な経営不安の一つになります。

しかしオンライン診療が進むことで、今まで病院にも行かず我慢していた患者の病気が早期発見できることで将来的な保険金を減らすこともできる可能性も生まれます。

テラドックのビジネスモデル

テラドックのビジネスモデルの根幹はオンライン診療ですが、もう少し分解してみましょう。

・プライマリーケア:病気における初期症状の診断
・メンタルヘルス:精神科医によるオンライン診療
・慢性疾患マネジメント:慢性的疾患管理のスマートデバイスの開発
・エキスパートメディカル:専門医とのマッチングサービス
・プラットフォーム:医療機関向けバーチャルケアプラットフォーム開発

業界最大手だけあって、オンライン診療事業といっても様々な切り口でビジネスを展開していることがわかります。

ただ、この中でほぼメインの事業になっているのはプライマリーケアサービスとメンタルヘルスサービスです。

米国の場合は専門医の診療をいきなり受けるということはなく、日本でいう町医者にとりあえず相談しに行くというのが一般的です。

専門医に対して相談医のようなイメージで調子が悪ければとりあえずそこに行くという感覚です。

ただ、日本のように全て保険適用というわけでもなく、ふらっと行っても受け付けてくれないため、時には訪問までにかなりの時間が要する場合もあります。

そのような手間と時間をかけることなく手軽にオンラインで相談ができるプライマリーサービス(初期相談)はテラドックの主軸サービスです。

また、メンタルヘルスサービスも今後かなり伸びていく事業です。

米国全体でも精神疾患(うつ病)患者の増加は社会的問題となっており、特に2017-18と2020を比較するとうつ病有病率は8%台から14%台へ跳ね上がっており、近い将来的5人に1人がうつ病診断がされているとも言われています。

テラドックの強みとは

テラドックの強みは業界最大手ならではのスケール感です。

・5000万人以上の有料会員
・12,000以上の顧客数
・175ヶ国以上40言語のグローバルアクセス
・公式アプリ500万ダウンロード
・会員満足度90%以上
・全世界による専門家ネットワーク

とにかく会員の規模感が圧倒的です。

これだけの会員がいるということは必然的にオンライン診療を通じた症例もテラドックに集約されやすくなり、ナレッジとデータの蓄積が徐々に競合との大きな差別化に繋がっていきます

また、プライマリーケアがメインなので、「なんの病気かはわからないけど、なんか調子悪い。」という漠然とした体調の変化を数多くオンラインで捉えて場合によっては専門医へ送客するため、「保険会社」「患者」「医者」を繋ぐ相談窓口として便利サービスからインフラサービスへ変貌を遂げる可能性は大いにあるでしょう。

テラドックの財務状況と株価

テラドックの財務状況を見てみましょう。


直近2021/1Qでは好決算を出しており売上高はYoYで151%成長の453.7M、粗利益は60%半ばとまずまずのビジネスモデルです。(市場予想には届いておらず、時間外で株価は大きく下落しましたが)

テラドックの売り上げは、Access fees(定額課金)とVisit fee(受診手数料)に大別されており、メインどころとなる米国内のAccess feesが2020-2021で225%の成長とテラドックの業績を牽引していることがわかります。

米国内の業績的には悪くないのですが、グローバルにはあまり成長していない点や、米国内の有料会員数の伸びが20%というのは少し物足らない印象もあります。

また、投資をする際にはマーケットサイズが大きい分非常にコンペティティブであることを確認しなければいけません。

競合(抜粋)
HealthTapPlushCare ・Virtuwell ・LiveHealth Online ・Doctor on Demand ・MDlive 
Amwell・ iCliniq ・ MeMD

もちろんこれら以外にも大なり小なり競合は多数いるので、一筋縄に今後の成長戦略を描きやすい分野ではないということは念頭におくべきでしょう。

株価については、2021年に入り全体的にグロース株が低迷しているためテラドックも大きく下落をしており、直近1月の高値から40%以上下落しています。

数あるグロース銘柄の中でも筆頭クラスに下落をしており、直近決算も予想に届かずそれだけで10%以上下落している点を踏まえるとしばらくは下値を探る展開が続きそうです。

大幅下落したことでPSRは14%台とかなり買いやすい水準ではあるものの、粗利益がサブスクビジネスの中では低めの60%、そして管理費のウエイトが高くヘルスケア関連の割には研究開発費が少ないようにも思える点が気になります。

とはいえ、業界全体のポテンシャルはとても高く、今後グローバル展開やビジネスの横展開やしやすいビジネスモデルを持つテラドックは引き続き期待値の高い銘柄なので下値を探りながら将来的にインを期待したい銘柄でもありますね。

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