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ドル建て終身保険を検討している方必見、意外と知らないドル建て終身保険の裏と表(裏ver.)

2020 4/20
ドル建て終身保険を検討している方必見、意外と知らないドル建て終身保険の裏と表(裏ver.)
目次

米ドル建て終身保険を加入するメリット


・資産の中に公社債を保有するのと同程度のポートフォリオを保有出来る。

・円建てよりも比較的高い利回りで複利運用できる。

・半強制的な積立投資をすることが出来る。

・円建てよりも大きな死亡保険金を持てる。(加入時の金利水準による)

・円以外の通貨を保有することで、通貨分散になる。


という点において、ドル建て終身保険を保有するメリットをお伝えしました。

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さて、ここではそんなメリットの大きそうなドル建て終身保険の裏を考察します。

為替リスクが以外と大きい


2020年以前過去15年間でどれくらい米ドルが動いたかご存知ですか。

最も円高水準が75円台(2011年)最も円安水準が125円(2015年)です。

もし、あなたが10万ドルの保険金額を手に入れても、万が一の際、保険金を受け取るご家族はこの為替リスクに残された資産がさらされるということです。

このケースでいえば、円評価額750万円-1250万円のレンジで保険金が動きます。

保険金が下りた際に、大きな円高局面で、さらにその資金が必要で円にしなければならず円にしたら資産が減ってた、なんて悲劇もありうるわけですね。

このように運用資産の相続と考えればまだ良いですが、そもそも保障という資金性格のものが長期に渡り為替リスクにさられることは一つの裏側といえます。

金利上昇リスクによる損失


終身保険に加入することは基本的に超長期で金利を固定した運用をしていくということです。

つまり金利が長期に渡り下落した際には、保有する保険は相対的に価値が高まり「お宝保険」になります。(お宝保険とは:世の中の金利は低いけれど、昔に固定金利にしていたおかげで保有する保険は当時の金利で今も回っているおいしい保険)

しかし逆に世の中の金利が上昇してしまったらその相対的に価値の低い保険となり、低い予定利率でずっと運用し続けられるなんとも運用効率の悪い資産と化します。


一部の会社では変動利率型という外貨建て保険も取り扱っておりますが、どのような状況になり、どれくらい世の中の金利が上昇すれば、その保険の金利が上昇するのかはブラックボックスなので基本金利は上がらないもの、と思って置いた方が精神的に良さそうです。

ドルコスト平均法の積立は使えないことが多い


米ドル保有におけるドルコスト平均法とは、定期的に一定額を買い付けることで、


①円高水準でも円安水準でもドルを一定額買っていくことで長期的な為替リスクを逓減させる。

②円安水準では買えるドルは少なく、円高水準では多くのドルを買えるため、全体的な購入単価を引き下げる効果がある。


しかし、外貨建て保険についてはこのドルコスト平均法が利用できないケースが多いんですね。なぜなら、「支払う保険料がUSDで固定されているケースが多いから。」です。


例として、毎年の保険料が1万ドルであったとすると、単純にその年の為替が@120円であれば、1万ドル×@120円=120万円の資金が必要になり、もし@100円であれば同計算で約100万円の保険料となります。

これはドルコスト平均法とは言いません。円安になれば、実質的な保険料が上がり、円高になれば実質的な保険料が下がるだけです。


金融機関の担当者の中には「ドルコスト平均法で為替リスクも下げることができます。」という担当者もいますが、(若手に多い)それは間違いです。

積立利率に騙されてるな


保険会社によってはたまに表記のある積立利率の表記。結構高めに書いてあります。もしパンフレットや設計書に目立つように大きく書いてある利率があれば、それはほぼ積立利率である可能性が高く、実際の利回りとは異なることを理解しなければなりません。

金融機関の担当者によっては、この積立利率を結構押ししてきますので注意です。積立利率とはあくまでも保険会社が保険料の積立をする上で適用している金利であって、実際には保険会社の会社維持コストや手数料が引かれて運用されますので、当然加入者はその利率では回りません。


実際の利回りについては設計書を見ながら、払い込んだ保険料と受け取る時点での受け取り金額(解約返戻金)を単純に割ることで利回りを調べて見てください。(思っているよりもかなり低くなることが想定されます。)

流動性(換金性)が極めて低い


超長期での運用になる分、換金性は極めて悪いです。(そもそも数年単位で換金するような想定の商品性ではありませんが。)

保険料の払込年数にもよりますが、少なくとも払込期間中の中途解約はほぼドル建てでも元本が割れます。場合によっては、その後もしばらく元本が割るケースも多いです。

流動性というものは資産運用にとって重要な指標としなければいけない指標の一つで、特に10年単位の長期運用では、自身のライフスタイルも大きく変わることが想定されますし、それによって死亡保険額も変わるかも知れません。

また、資産運用背景(金利、株価、為替等)も大きく変わるため、その時々に応じた機動的なポートフォリオ構築が保険ではできません。

このように、メリットもある分、デメリットもある外貨建て保険。加入する際は、しっかりと精査し、本当にその死亡保険が必要なのか、保険料が生活を圧迫する可能性はないか。長期に渡る為替、金利、流動性リスクを許容することができるかなどを検討し、ポートフォリオに組み込むことが重要です。

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