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ポートフォリオ運用はCalPERS(カルパース)に学べ。CalPERSを解説してみるよ。

2020 6/09
ポートフォリオ運用はCalPERS(カルパース)に学べ。CalPERSを解説してみるよ。

我々の決して明るいとは言えない将来において、個々の責任において資産運用を「長期」「積立」「国際」「分散」の観点から行っていくことはますます重要になっており、時間を味方につけた運用を数十年に渡って行ってきたハイパフォ投資家と、してこなかった人間とでは将来的な豊かさが今後大きく変わっていくことが予想されます。


今でこそ、国際だ!、分散だ!と長期目線での運用を推奨されてきておりますが、なぜここに来てそのような流れになったのでしょうか。

それは日本が「海外(特に米国)での運用実績を知ってしまったから。」に他なりません。

そのポートフォリオ運用の雄がカルパースなのです。

目次

カルパースとは


「The California Public Employees’ Retirement System」の略称で、日本でいうところの年金基金(Government Pension Investment Fund)のアメリカカリフォルニア州バージョンです。

2017年10月時点での運用残高は3417億ドル(約39兆円)と言われており名実ともに米国最大の公的年金金なのです。

これだけの資金を動かしているだけあり、一度動けばマーケットに与える影響は大きく、常に投資方針が注目されています。

どんな運用をしているの?

カルパースは、「長期分散投資」を基本としており、株式、債券をメインにその他にも、「プライベートエクイティ」「REIT(不動産証券投資)」など、株や債券など従来の資産以外での運用にも積極的に取り組んでいることでも有名です。

特に最近では、ESG投資と言って、「環境問題・社会的責任・企業統治」への取り組みを評価した運用を行うことでも知られ、年金基金というとパッシブな運用をしているようなイメージを持つ方もいるかもしれませんが、同基金は「物言う株主」として経営状態の悪い企業や上記ESG投資に対して問題のある企業に対しては積極的に株主として改善を要求、是正を求める姿勢を持つアクティビストとしても有名です。

したがって、投資をして利益を出すだけに止まらず、まさに「投資を通じてより良い社会を実現を目指している。」社会意義の高い基金と言えます。

ポートフォリオはどうなっているのか

カルパースは他国の年金基金と比べて比較的幅広いアセットクラスを投資対象にしてきており、そのポートフォリオは個人投資家目線においても非常に勉強になります。(実践できるかどうかは別ですが。)

もちろん、メインとなるポートフォリオは株式や債券での運用になり、もちろん場合によって見直しをされていますが、比率として「株式(Equity)=50%前後」「世界債券(Fixed income)=30%前後」「その他資産=20%前後」となっています。この「その他資産」がcalPERSならではのポートフォリオであり、GPIFなど他国の年金基金とは異なります。

「その他資産」には、PEファンド(未上場株式投資)や不動産投資が含まれており、以前(2015年くらいまで)はさらに、ヘッジファンドやインフレ連動債、コモディティなどもポートフォリオに入れておりましたが、今は現在はかなりシンプルになっているようです。

今後のポートフォリオはどうなるのか


カルパースやその他年金基金は、その資金性格がゆえにポートフォリオを大きく変更することは今後ないことが予測されます。

したがって、株式=50%、債券=30%、その他資産=20%はベースポートフォリオとして引き続き継続されるることでしょう。

ただ、その他資産の割合が今後徐々に縮小していく可能性は大いにあると見ています。5~10年前のポートフォリオにはヘッジファンドなど絶対的収益モデルでの運用手法が取り入れられておりましたが、コスト高によるパフォーマンスの低迷などの理由により現在は入っておりません。

さらに現在の運用対象としてPEファンドが組み入れられていますが、こちらも市場飽和によりリターンが減少し始めており、REITについてもここ数年かなりの高止まりの様子が伺えますので、今後5~10年をみると伝統的資産である株式債券投資への原点回帰が加速しそうです。

カルパースポートフォリオを体現しよう

ハイパフォ投資家を目指すに当たって、カルパースやGPIFのポートフォリオを参考にすることはとても有益です。

さらに、どの年金基金も複雑でコストの高いポートフォリオではなく、伝統的資産がベースの比較的シンプルな運用になっており、上述したようにこの流れは今後加速する可能性もあります。

このポートフォリオ運用は個人でも体現できるものであり、コストのかからないETFや積立NISAでカルパースのポートフォリオを参考にMyポートフォリオを作ってみるのも良いかもしれません。

また、現在はロボアドバイザーでもカルパースのポートフォリオに似た運用を提案してくれますので、時間がない方はロボアドバイザー投資もオススメです。


「卵は一つのカゴにもるな。」

これは長期投資の鉄則です。

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