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積立投資と一括投資はどちらが有利?実例を交えて解説【積立投資家必読】

2020 10/31
積立投資と一括投資はどちらが有利?実例を交えて解説【積立投資家必読】

長期投資をベースに資産運用をしている方が必ず考えるのが、「積立投資と一括投資ではどちらが有利なのか。」ということです。

確かに長期投資において時間分散はとても有効な戦略で、ドルコスト平均法の観点からも長期投資における積立投資の有効性は大いにあるのですが、その有効性というものは果たしてリターンに対しての有効性なのか、それとも心理的な話にとどまるのか難しいところです。

そこで今回は、実際につみたてNISAを2018年からやっているマッケイがこの2年間で非課税で運用してきたつみたてNISAと、仮ではありますが同時期に一括投資をした場合とでリターンの観点から積立投資と一括投資では実際にどちらが良いのかを解説していきたいと思います。

目次

つみたてNISA運用実績

まずはマッケイのつみたてNISAの運用内容をお伝えします。

利用証券会社:SBI証券
積立開始年月:2018/3/7(31ヶ月)
運用銘柄:SBI・先進国インデックスファンド(他先進国株式ファンド2銘柄)
投資金額累計:93万円(2020/10末現在)
累積運用収益率:6.1%(2020/10末現在)
運用収益額:56730円

こんな感じです。

まず初めにこの運用実績を見てどのように思われますか?

マッケイは投資開始をしてから一貫して先進国インデックスファンドに投資をし続けていますので、期間中つみたてNISA内では米国株(大型株中心)に7割ほど投資ををしていることになります。

約2.5年で6.1%の運用収益率ということは年間収益率に直すと概ね2.4%ほどになります。

先進国株式に2年積立投資をして年間収益率2.4%。。。

決して高いとは言えませんね。

ただ、この数値はあくまでも現在までの投資元本を2年前から運用してきたと仮定した場合のシンプルな数値であって、実際には2年間に時間分散をしながら積み立てているので、実質的な積立利回りは異なります。

ちなみに、記事執筆時点ではもちろん2020/3コロナショックでの株価暴落は含まれており、2020/11の米大統領選挙絡みでS&Pが直近高値から7%ほど下げたタイミングでもあります。

S&P500チャート(2018/3〜)

もし一括投資をしていたらどうなっているのか

それでは仮に同時期2018/3に投資元本93万円を一括投資して放置していた場合どうなっていたのかを検証しましょう。

マッケイはこの2年間で信託報酬がより安い先進国株式インデックスファンドに2回ほど乗り換えておりますが、各々の銘柄に大きなリターンの差はないので、今回はSBI・先進国インデックスファンドに一括投資をしたと仮定して計算します。

参考銘柄:SBI・先進国インデックスファンド
基準価額(2018/3/7):9324円
基準価額(2020/10/31):10257円
累積運用収益率:10%

仮に投資資金93万円を一括投資した場合、運用収益額(累計)は102.3万円になり、年利換算3.8%となります。

これらを比較しての通り、リターンベースで見るとやはり一括投資の方が過去2年間の積立投資においては良い結果であると言えます。

理由は、

  1. 過去2年間はほとんどの期間上昇トレンドを継続していた
  2. コロナショックは大きな下落を伴ったが、下落期間が短かった

という点にあります。

参考までに、2000年以降「〇〇ショック」の日経平均下落期間を確認してみましょう。

ショック名日付最大下落率下落期間
ITバブル崩壊2000年-43.3%226日
リーマンショック2008年-51.3%185日
東日本大震災2011年-16.1%2日
チャイナショック2015年-28.3%155日
コロナショック2020年-30.6%25日


ご覧になっての通り、2000年のITバブルの時で約7ヶ月、直近のコロナショックで25日、東日本大震災時に至ってはなんと下落期間2日です。

基本的には世界経済は企業の経済活動によって毎年数%づつ成長していくものであり、それに応じて株価は上昇していくものです。

数年に1度「〇〇ショック」と呼ばれる経済ショックはもちろんありそのタイミングでは一時的に20%〜50%程の下落をしますが、ほとんどの場合下落期間が短い故に積立投資においては下落時の積立は積立資産全体にあまり大きなインパクトを与えません。

つまり、積立投資が有効な投資期間というのは長期下落トレンドの時のみであり、長期右肩上がりのトレンドでは短期的な経済ショックを加味しても一括投資の方が有効であるということです。

実際に、日本株式市場を例に取ると、1989年12月に日経平均は38,915円をつけて以降約30年間この価格をつけたことはなく、2009年3月には7054円の最安値をつけています。

このような長期下落トレンドでは一括投資をした方は未だ損失を抱えていますが、積立投資を行った方は十分なリターンを出すことになります。

問題は長期下落トレンドが、

  1. どのタイミングでくるかわからない
  2. どれくらい続くのかわからない
  3. どこまで下がるのかわからない

ということです。

極論、一括投資をした翌日から長期下落トレンドになるかもしれません。(実際に1989年12月に日経平均に一括投資をした人も多くいたことでしょう。)

長期投資をする上で、いつか起こり得るかもしれないこの不確定要因は最低限排除しなければならず、そこで有効なのが積立投資なのです。

過去の世界株事例から見れば一括投資の方が長期投資におけるリターンは良いですが、若干リターンを抑えてでも長期下落トレンドへの予防線を張るためには一括投資ではなく積立投資をベースにした運用の方が精神的にも安定します。

マッケイのここ最近の投資戦略をお伝えすると、

・つみたてNISAで自動積立
・直近最高値から20%下落時点で、投資可能金額の50%一括投資(コロナショック時にトリガー)
・直近最高値から40%下落時点で、投資可能金額の50%一括投資(トリガーしたことはありません)

短期的な暴落時に一括投資をするために、現金余力を常に持っています。

積立投資は積立初期段階は金額自体も小さいので投資をしている醍醐味が感じられないかもしれませんし、上昇トレンドでは「一括投資しておけばよかったな、」と後悔をすることさえあるかもしれませんが、一定の割合のキャッシュはショック時のために常に確保していきながら、さらなる余力部分が生まれた際に上昇トレンド時の一括投資を実行するスタンスが良いかもしれません。

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