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【完全網羅】2024年新NISAは何が変わる?メリット・デメリットや変更点を徹底解説

2020 6/09
【完全網羅】2024年新NISAは何が変わる?メリット・デメリットや変更点を徹底解説
目次

なぜ「新NISA」制度が始まるの?

 
「新NISA」が2023年よりスタートすることになった大きな理由の一つとして、「積み立て投資のさらなる普及」という政府の思惑があると考えられます。
 
現在のNISAは一般NISAが約1176万口座、つみたてNISA口座は188万口座(2019年12月時点)で、つみたてNISAの口座数が一般NISAの口座数と比べて非常に少ない水準になっており、国民にはまだ広く認知されているとは言えません。
 
 
 
そこで「少額・積み立て投資」の強化がテーマとなっているのが新NISAなのです。
 
また、2018年以降一般NISA口座で投資をした分において2023年から続々と非課税期間が終了し、新NISAを設定しなければ多くの投資家がこの非課税期間に株式や投資信託を売却することになり、証券市場に一定の影響を及ぼすことが考えられます。
 
新NISAへ引き続きロールオーバーを促すことで証券市場の拡大にも繋がるわけです。
 

投資可能期間が5年間延長

 
現行の一般NISAでは2023年までが投資可能期間となっておりましたが、新NISAでは投資可能期間が5年延長され、2028年までとなりました。
 
今までは、2018年以降に一般NISAで投資を検討していた方にとっては非課税期間終了に伴うロールオーバーができず、さらには2023年まで5年を切っているため満額(120万円×5年分)の投資ができないという現象が起きていました。
 
新NISA制度でさらに5年間延長されたことで、2018年以降に始める方でもロールオーバーや非課税金額を目一杯使った投資が可能になります。

一般NISAは2024年から2階建て投資へ変更

 
新NISAの最も大きな変更点は、この「2階建て投資」です。
 
新NISA制度で投資を始める方は原則、一階部分の投資をしなければ二階建て部分への投資はできなくなります。
 
つまり、一階部分でつみたてNISA同様の安定的な運用をしなければ、2階建てで積極的な運用はできないよ、ということです。
 
ただ、一階部分に関しては、必ずしも20万分満額で運用しなければならない訳ではなく、少額の運用でも二階部分への投資は可能です。
ミク
ミク
二階建てっていうのは、少しややこしいですね。

一部で長期積立をしながら、個別株まで投資できるよう変更になったのは良い点だよ。仕組みはそこまで難しくないから、しっかり理解した上で決めていこう!
マッケイ
マッケイ

レバレッジ投資信託には投資できない

 
新NISAでは、一階建て部分でも二階建て部分でも「レバレッジ投信(先物等のレバレッジを活用したハイリスクハイリターン商品)は購入できないようになっています。
 
レバレッジ投信は少額で資金効率を高めた運用を可能とし、近年流行っている投資信託の一種ですが、新NISAでは対象外なので注意しましょう。
 

一階部分はつみたてNISAへ「簿価」でロールオーバーができる

 
一階部分はつみたてNISAと同じ性格であるため、5年後はつみたてNISAへ「簿価」でロールオーバーが可能になります。
 
この「簿価(買値)」という点は、投資家側からすれば20万円分が仮に5年後40万円になっていたとしても、20万円とみなされてつみたてNISAへ移行されることになりますのでメリットになります。
 
利益部分をカウントせずにロールオーバーできるのは、投資家にとって大きいよね。
マッケイ
マッケイ

投資経験者は2階建て部分のみに投資できる

 
すでにNISA口座を保有している方や、上場株式等の運用経験がある方であれば1階建て部分に投資せず、ストレートに2階建て部分のみに投資することができます。
 
ただし、個別株のみです。
 
個別株以外のETFやJ-REITには投資できませんのでご注意ください。
 
ETFやREITに投資をしたい場合は一階建て部分にも投資をする必要があります。
 
最近は米国株が比較的強く、米国ETFを中心とした運用をしている方も多いのでETF投資を検討している方は注意しましょう。もちろん、運用額も二階建て部分のみの102万円になります。

つみたてNISAが5年延長される

 
つみたてNISAは2018年にスタートし、当初2037年までの20年間で計800万円(40万/年×20年)投資ができるというものでしたが、年を追うごとに運用総額が40万円づつ減ってしまうため、これから投資を行う方はどんどん運用総額が少なくなってしまうという現象が起きていました。
 
それを解消すべく、新NISAでは当初2037年までが2042年まで延長されることになりました。

投資期間は伸びたけれども、非課税期間は伸びていない

 
新NISAでは2042年まで延長されていますが、非課税期間は20年のまま変更されていませんので注意しましょう。
 
2018年から投資を始めた方であれば、最大1,000万円分(40万円/年×25年)の運用ができることになりますが、非課税期間は変わらずロールオーバーもできないので、20年以内に順次売却をしていかなければなりません。
 
したがって、事実上の非課税運用額は変わらず800万円(40万円/年×20年間)となります。

新NISAへのロールオーバーについて

 
新NISAへのロールオーバーについてはロールオーバー時の利益水準によってロールオーバー方法が異なるので多少注意が必要です。
 
 
ロールオーバー時の3パターン
 
・ロールオーバー金額が、122万円(一階部分+二階部分)を超える場合
 
・ロールオーバー金額が、二階部分は埋まるけど一階部分は埋まらない場合
 
・ロールオーバー金額が、二階部分すら埋まらない場合
 
ロールオーバーについて、基本原則は「二階部分から消化していく。」という点です。
 
この基本原則のもと、各パターンを解説します。

ロールオーバー金額が、122万円(一階部分+二階部分)を超えている場合

 
この場合はシンプルに全額をロールオーバーすることができます。
 
仮に、150万円にまで投資資金が増えていても122万円を超えて全額ロールオーバー可能です。
 

ロールオーバー金額が、二階部分は埋まるけど、一階部分は埋まらない場合

 
例えば、ロールオーバー金額が110万円の場合です。
 
この場合、基本原則では「二階部分から消化していく。」でしたので、102万円分を2階建て部分で消化し、残りの8万円を一階部分で消化することになります。
 
すると、一階部分の投資枠のみ12万円余るので、その年は一階部分に対して12万円のみ追加投資が可能になります。
 
もちろん、投資対象先は一階部分に準拠しますので株式などは購入できません。

ロールオーバー金額が、二階部分すら埋まらない場合

 
ロールオーバー金額が90万円の場合です。
 
この場合は、まず二階建て部分から利用するので二階部分が残り12万円になります。
 
投資枠はというと、新NISAの原則である「一階部分から投資する。」に準拠しますので、原則一階部分を利用した後に2階部分の残りに投資ができます。
 
もちろん、経験者であれば2階のみに投資することは可能です。

ジュニアNISAは2023年で終了

 
「令和2年度税制改正について(金融庁)」の中に、このような記載があります。
 
「ジュニアNISAについては、利用実績が乏しいことから延長せず、新規の口座開設を2023年までとする。」(原文)
 
ジュニアNISAは全く流行りませんでした!
 
「子供や孫の運用まで考えとれん!」が世間の本音なのでしょう。
 
というわけで、ジュニアNISAは2023年に終了します。
 
2024年1月以降は、全額の場合は非課税で解約することもできます。一部解約の場合は課税されますのでご注意ください。もちろんそのまま成人まで保有し続けることも可能です。

まとめ

 
少し難しい変更点もありますが今後の展開としては、つみたてNISAすでに始めている方はシンプルに現状維持で良いかと思います。
 
現在一般NISAで上場株などで運用されている方は、ロールオーバーの点を確認しながら、引き続き一般NISAで株式運用をしても良いと思います。
 
新NISAで初めて資産運用を始める方は、二階建て部分が少しややこしいのでシンプルにつみたてNISAでインデックス投信メインの運用で良い気がします。
ミク
ミク
私はシンプルにつみたてNISAでいいと思います。

これからNISAを始める人は長期的な運用ができる「つみたてNISA」がオススメだよ。ただ、個別株にも投資をしてみたいなら通常のNISAの選択肢になるね。
マッケイ
マッケイ



※本制度は2019年12月の「令和2年度税制改正について(金融庁)」を元に2020年5月時点で作成しており、今後制度の変更や修正がある可能性があります。
 
 

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