MENU

ロイヤリティファーマ(RPRX)のビジネスモデルと株価の将来性を徹底解説【高成長&超安定銘柄なのか!?】

2021 2/26
ロイヤリティファーマ(RPRX)のビジネスモデルと株価の将来性を徹底解説【高成長&超安定銘柄なのか!?】

最近は米国グロース銘柄が爆騰しておりIT銘柄に目が行きがちですが、ポートフォリオ上グロース銘柄ばかりに偏ってしまってはボラティリティが高まりすぎてしまうので今回は少し目線をずらして医薬・製薬関連銘柄を紹介します。

今回紹介するロイヤリティファーマは製薬銘柄の中でも少し変わったビジネスを行っています。

製薬というと、様々なプレイヤーが存在しますが馴染みのあるところではファイザー等の大手製薬会社や、大学などの研究開発部門、前回紹介したGDRXも医薬品の流通分野に携わるテック企業があります。

創薬から流通まで様々なプレイヤーが関わる中、ロイヤリティファーマの立ち位置はファンドとして研究開発費などの資金を提供し、流通させるタイミングで資金を回収するいわば医薬品専門の投資会社という立ち位置です。

目次

なぜロイヤルティファーマなのか

皆さんは製薬会社についてどのようなイメージをお持ちでしょうか。

よくイメージされるのは研究開発に莫大なお金がかかる為創薬段階ではリスクの高いビジネスではあるものの、一回流通すれば「特許」により儲かり続けるので結構おいしいビジネスでもある、と言ってところでしょうか。

この感覚はあながち間違っていません。

大学などの研究機関が行うR&D(研究開発)費用は年々増加傾向にあり、医薬品はその他製造業と比較しても圧倒的に高いR&Dをかけています。

米国研究製薬工業協会によると、PhMAR加盟企業の2015年R&D費用は約588億ドルとも言われ2014年と比較して約10%も上昇しており、R&D費用の割合はその他製造業の約6倍、米国R&D費用の約17%を占めているそうです。

製薬と言うと製薬会社が研究開発をしているイメージですが、実は製薬会社以外にも多くの大学や団体、病院などが新薬研究に勤しんでいます。

ポイントなのが、このような大学や団体、病院は研究を行い新薬を創出するプロではありながらビジネスのプロではないのでうまく流通させれるかどうかはまた別の話なのです。

ここにロイヤリティティファーマのビジネスチャンスが出てくるわけです。

研究開発を行う団体:研究したいが金銭的リスクは抑えたい
製薬会社等の企業:商品化して儲けたい

彼らを繋ぐ役割をするのがロイヤルティファーマです.

ロイヤルティファーマのビジネスモデル

ロイヤリティファーマは投資会社という立ち位置として新薬開発における資金を提供し、見返りとして「ロイヤリティ(権利)」を手に入れます。

研究開発側は流通した場合の実入りは小さくなるけれども、莫大な研究開発費用が提供されるわけなのでハイリスクハイリターンがミドルリスクミドルリターンになるわけですね。

そしてロイヤリティファーマは受け取ったロイヤリティを大手製薬会社等に転売することでリターンを得ます。

このビジネスモデルの特徴として、

  1. コストがほとんど掛からない
  2. 参入障壁がめちゃくちゃ高い
  3. 超高度な知識と経験、人脈を有していなければいけない
  4. 幅広くロイヤリティを分散しなければいけない

という特徴があります。

ロイヤリティファーマーは投資業を生業としている為、在庫を持つこともありませんし、そもそも人的投資もあまり必要ありません。

なぜなら、超プロフェッショナル集団で構成されており、これほどの知見を持つ人間はそうそういないからです。

なので、少数精鋭軍団であり35人にしかいません。

彼らは「新薬×金融」のプロフェッショナルであり、その高度な知識経験は第三者に取って変われるものではないのです。

上記が理由で参入障壁がめちゃめちゃ高い、と言うよりももはや一人勝ちの状況です。

彼らから投資を受けるということは、投資を受ける側からすると新薬のプロからお墨付きをもらったようなものです。

彼らは45種以上のロイヤリティを分散して保有しておりポートフォリオの組み替えも高頻度で行っていますが、逆説的には米国に星の数ほどもある特許のうち45種しか持ってません。

つまり、彼らから投資を受けるハードルは極めて高いのです。

参入障壁が高く、すでにこのロイヤリティ市場において圧倒的な地位とブランド力を誇るロイヤリティファーマを取り巻くマーケット環境は当然のことながら年々上昇しています。

トランザクション数も2015年と比較すると約6倍、金額も$5.4Bと約9倍まで伸びており、ロイヤリティ市場全体のトランザクション数の1/3、トランザクション金額の約半分をロイヤリティファーマ一社のみで実行していることになります。

また、金額の大きいロイヤリティほどロイヤリティファーマが手がけている割合が高く、ロイヤリティ市場全体の60%をロイヤリティファーマが手がけており、その中でも特に大きいロイヤリティ(-$500M)に関してはなんと82%のシェアとなっています。

ロイヤリティ期間の平均は15年あり、中には無期限のものもある為これらを保有する限りはロイヤリティファーマはサブスクリプションビジネスのように左団扇で儲かり続けることになります。

一般的なベンチャーキャピタルは株式(利権)を売却しなければなんの利益も享受できませんが、ロイヤリティファーマは承認されたロイヤリティーを保有し続ける限り期限になるまでチャリンチャリンお金が入ってくるのです。

ロイヤリティファーマの財務状況と株価の将来性

それでは財務状況について見ていきましょう。

売上自体はグロース銘柄と異なり爆発的な伸び率ではありません。

それでも毎年5〜10%近くの成長をしている為今後も安定的な成長が期待されます。

また、特筆すべきは前述した粗利率です。

在庫を持たず研究開発を行わず、人的投資も必要のないロイヤリティビジネスはとても高い粗利率を誇り、その粗利率は80%近くになります。

少数精鋭なので、人件費もそこまで多く掛からないのでとても効率の良い資本効率となっています。

また、現在のEPSは3.4倍となっており株価が48ドルほどなのでPERが約14倍と高PSR銘柄が買われている中、株価的には決して高くはありません。

その為ディフェンシブ銘柄としての機能も持ち合わせており、昨年から今年にかけての爆発的な株価上昇時には他銘柄に見劣りしますが、長期的には安定的に右肩上がりの成長を見せてくれるものと考えられます。

ロイヤリティファーマは2020-2025年の間に年率換算約7-10%程の成長を予想しており、これはS&P500よりも高い成長率であると言えます。

最後に株価ですが、ここ一年では約10%ほどの伸び率で米国市場全体よりもマーケット環境は良さそうです。

また、今後7-10%ほどの成長性を加味すると現在のPER14倍は決して高くはなく、長期保有目的であれば検討の余地は十分にあるでしょう。

あわせて読みたい
クリーンエネルギーおすすめETF5選【まとめ】
クリーンエネルギーおすすめETF5選【まとめ】前回はバイデン政権は発足する中、昨年からクリーンエネルギーの上昇幅が米国グロース銘柄の指数を超えてビットコインに次ぐ2位であることをお伝えし、今後もクリーンエ...
あわせて読みたい
ROKUのビジネスモデルと将来性を分かりやすく解説【ROKU株は買うべき?】
ROKUのビジネスモデルと将来性を分かりやすく解説【ROKU株は買うべき?】現在国内では若い方を中心に多くの方が動画ストリーミングサービスに加入されていると思います。【動画ストリーミングサービスとは】ストリーミング技術を活用した動画...
目次
閉じる