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金融マンと投資家の不都合な真実

2020 6/09
金融マンと投資家の不都合な真実

ここでの金融マンとは、個人向け金融商品を販売している銀行員、証券マンのことを総称して金融マンと呼びます。

私は10年以上この業界の携わっており、セルサイド(金融マン)とバイサイド(投資家)の不都合な真実を何度も目の当たりにしました。

ここでは彼らの思考で仕事をしているのかをお伝えしていきます。

目次

投資家が儲かるものは、基本金融マンには儲からない

個人投資家が購入することのできる金融商品は大きく分けて4つあります。

大カテゴリとして「株式」「債券」「投資信託」(「保険」)です。この中でも小カテゴリとして、「国内株」「海外株」「国内債券」「外国債券」「仕組債券」「アクティブ投信」「インデックス投信」(「平準保険」「一時払い保険」)などがあります。

金融マンには基本的に、個別株式よりも投資信託、債券よりも保険を提案するようなバイアスがかかります。

それは、世の金融マンはあくまでも売買手数料で稼ぐモデルであり、投資家のリターン値は評価項目にはないからです。

そのため稼働率を上げるには1回あたりの手数料を上げることが重要であり、証券マンであれば比較的手数料の上げやすい投資信託(特にアクティブ投信)、銀行員であれば保険をベースとした提案になってしまうのです。

つまり、全てではありませんが金融マンが提案する商品というものは高コスト商品が多いということなのです。


とは言うものの、、、

金融マンは流動性を重視する

実は金融マンにとって、顧客資産の流動性は非常に重要です。

例えば、あなたの全財産が1,000万円であったとして、その資金を全て10年満期の債券にしてしまったら、次のキャッシュポイントは10年後です。

もう自分が担当している間はあなたで儲けることはできません。

同然それは避けたいわけですね。

そこで、株式や投資信託はその他金融商品と異なり、投資信託ではある程度、株式であればかなりの流動性を保つことができます。

なぜ投資信託がある程度かというと、投資信託は顧客が儲かったら売りやすいという流動性がある反面、現在は社会的に短期的な売買を悪とする風潮があり実は積極的な売却はできないのです。(ちなみにひと昔前は、乗り換え取引という投資信託を使って短期売買を繰り返して手数料があげるやり方も横行してましたが。)

銀行員は株を扱っていないのでそもそも短期売買はできませんので証券マンよりはいかほどか温厚な提案ですが、証券マンはさらにそこでキャッシュポイントを高めるため、以外と株式の短期売買も有効なのです。

売買するごとに買いでも売りでも手数料があげられる株式の短期売買は重要なのです。

リスクが高い or 複雑 or 運用がんまります 的な商品が勝機あり

金融商品というのは年々仕組みが複雑になっていき、もはや販売する金融マンですらいまいちよくわかっていないものも数多くあります。

そしてそのような商品に限ってリスクが高いものが多い。

なぜそんな一部の組成者側のみが理解でき、他の金融マンですら理解ができないようなものがいっぱい出てくるのか。

それは金融機関側が儲かるからに他なりません。

債券の中でもまずもって金融マンが勧めることのない米国債券。

これはシンプルすぎて、リスクが比較的低いので金融マンは儲からないんです。

これをよく「スプレッドが取れない債券」などと金融マンは言います。

その代わり、債券投資がしたいと言うとすぐに出てくる「仕組債」。

仕組債の概要はここでは割愛しますが、はしょって言うと「金融機関によって仕組まれた債券」とでも言いましょうか。

これは、金融マンにとって非常に勧めやすい商品なんです。

理由はまさに、リスクが高く(低いように見せるけど)複雑(シンプルに見せるけど)だからです。

ちなみに仕組債のリスクを過小評価し、今般のコロナショックで退場した投資家も多いのでは?

あと、投資信託でも、金融マンは運用頑張ります投信、つまりアクティブ投信、ラップ投信は金融マンにとって非常に旨味があり、逆にインデックス系投信はほぼ旨味がないため提案することはあまりありません。

そもそも対面系の金融機関ではインデックス投信を扱っている本数はかなり少ないですが。理由は当然コストが割れるからです。


ここまでである程度お分かりでしょう。

ご奉仕投資家になりたければ別ですが、今後長期に渡りしっかりリターンを上げていきたいハイパフォ投資家になりたいのであれば、

①シンプルな運用商品で運用し、

②過度にリターンの高い商品には手を出さず、

③短期で儲けようとせず、中長期的な運用プランの元投資を実行する。

ここら辺はベースのブレない思考として持っておいてください。

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