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GoodRX(GDRX)ビジネスモデルと株価の将来性を分かりやすく解説

2021 1/03
GoodRX(GDRX)ビジネスモデルと株価の将来性を分かりやすく解説

今回は、マッケイとしては初となる個別株の投資ポイントについて説明します。

マッケイはしばらく国内外の株式から離れており、このところポートフォリオのほとんどがインデックス投資信託や米国債、クラウドファンディングに寄っていたのですが、今後は個別株をポートフォリオの30%程度まで増やして行こうと考え、足がかりに直近ナスダックに上場した米国株、GoodRXを購入しました。

目次

GoodRXとは

GoodRXは処方箋の比較サービスやディスカウントクーポンを提供する米国のヘルスケアテックサービス企業です。

日本でいうところの医薬品版カカクコムのようなイメージです。

アメリカでは、日本のように国民皆保険制度がなく、多くの人は会社を通じて民間の保険会社に加入しています。

そして、日本でも薬局によって処方箋の値段は異なりますが、国土の広い米国では日本以上に薬の値段の差が大きく、今までは実際に行ってみないと値段の比較ができませんでした。

薬局同士が遠くそもそも比較することもあまりないので、そもそも大きく値段が異なることを知っている米国人も少ないのですね。

GoodRXではそれらをアプリ上で比較できるようにし、処方箋の価格をより透明性の高いものにした画期的なヘルスケアテックサービスと言えます。

アメリカの保険事情とは

GoodRXに投資をする前にアメリカの保険事情を知る必要があります。

多くの方が知っているかもしれませんが、アメリカには国民皆保険制度がなく任意で所属する会社を通じて保険に加入している方がほとんどです。

もちろん実際には保険未加入者も数多くおり、日本人のように少し熱っぽいというだけで病院に行く文化はあまりありません。

むしろ、処方箋で都合をつける場合の方が多くそもそも処方箋のニーズが高いと言えます。

アメリカの保険適用時の自己負担額(Co-payment)はTier1〜Tier4まで分かれており、どの薬がどのレベルに分類されるかは保険会社によって異なります。

そして、世の中に広く普及しているようなジェネリックはTier1に分類されるため比較的安く、あまり普及していないnon-preferredはTier4になりより価格が割高になります。

GoodRXのビジネスモデル

それではGoodRXがどのように売り上げを出しているのかを確認します。

結論からいうと、GoodRXはユーザーがGoodRXが提供するディスカウントクーポンを薬局で利用することで、PBM(Pharmacy Benefit Manager)という処方箋の仲介会社から販売した分のキックバックをもらって売り上げを立てています。

ミクのアイコン画像ミク

PBMってなに?

マッケイのアイコン画像マッケイ

PBMは製薬会社と薬局をつなぐ商社みたいなものなんだ。PBMは、OptumRX、 CVS health、Express Scriptsの3社の寡占状態になっていて2016年には3社ですでに70%のシェアがあるんだよ。

ミクのアイコン画像ミク

つまり、多くのお客さんが薬局でクーポンを使えば、それだけPBMからの収入が増えるというわけね。

PBMは薬局と直接繋がっており、GoodRXがディスカウントクーポンを発行することに寄って薬局にお客さんを紹介したことになり結果処方箋の流通が増えPBMが儲かるという構図です。(PBMからみれば広告宣伝費みたいなものですね。)

よってGoodRXはBtoCサービスありながら、マネタイズポイントはtoBであることがポイントです。

ビジネス構造としてはそこまで複雑なものではありませんが、主な収入がPBMに依存しているため、将来的なPBMの商構造の変化により大きく影響を受ける可能性はあります。

事実、PBMの法外な中間マージンによる医薬品の価格高騰が現在アメリカで問題視されており、オハイオ州では2019年CVS healthとの契約打ち切りや、他の州でもPBM運用の見直しが行われる可能性があるので、商慣習の見直しがGoodRXにとってどのような影響を与えるのかは一つの注目ポイントと言えるでしょう。

また、直近では尿路感染症や不妊などのオンライン診療サービスやサブスクリプションサービス、製薬会社向けソリューションサービスも行っており、今後さらなる収益構造の多角化も期待できます。

GoodRX投資のポイント

コストオフビジネスは長期安定的に業績を伸ばしやすい

カカクコムと同類のコストオフビジネスは安定的な売り上げを伸ばしやすい傾向にあります。

その中でも、アメリカの処方箋の価格差が大きく値段も高額なものも多いためそのような生活必需品へのコストカットは潜在的な需要がとても高いと言えます。当然のことながら、マーケットも大きいことはイメージが湧くでしょう。

処方箋ビジネスはサブスクリプションと相性がいい

処方箋は一回だけでなく、ビタミン剤などリピートするものも多いのでサブスクリプション(定期購入)と相性がとても良いです。
つまり、ダイレクトにリピート率に反映されやすく、サブスクリプションが伸びればインカム収入が増えるため、売り上げが綺麗な右肩曲線になりやすい傾向にあります。

アメリカの国土や国民性、保険制度にマッチしている

日本では都心を中心にドラッグストアが乱立しているので、やろうと思えば価格差も調べやすいかもしれませんが、国土の広いアメリカでは車で何十キロも走らなければ価格を調べることができない環境です。

また、国民皆保険がないためにセルフメディケーションが浸透しており処方箋への潜在的需要が高いので処方箋の価格比較はアメリカ人の生活により浸透しやすいと言えます。

財務状況

2016年からの売り上げは生活に密着したサービスであることを踏まえ綺麗な右肩上がりの曲線になっています。

特に2017年以降は年成長率50%以上を継続しており、IPO時にはすでに黒字化を達成しているテック系企業としては珍しい安定した伸びを見せている企業です。

リピート率も80%を超えており、総取引額は80億ドル、月間アクティブ消費者数は440万人超えているため、消費者ニーズの高いサービスでと言えるでしょう。

2020/10/1現在の株価は約50ドル前後で推移しておりIPO以降の株価上昇によりPSRが50倍を超えているため割高感はあるものの、コロナが落ち着き皆が薬局に行けるような日常になれば次回決算で50%成長も可能であると判断するため、少額から入っておくこと良いかもしれません。

まとめ

GoodRXは2020年にはTAM(Total Addressable Market:潜在市場)が2020年に3600億ドルになるとも言われており、市場の大きさや、コストオフビジネスであること、またサブスクリプションや周辺市場への多角化などビジネスとしても今後幅が聞く点が特徴です。

日本のカカクコムもこの10年で4倍になっており、テンバガーとは行かないかもしれませんが安定的な伸びを期待できる銘柄だと思います。

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